ラブホのフロントで働きたい人へ(外線電話に出よう)

ラブホテルのお仕事

前回のラブホ記事では、主なお仕事の第2弾「フロントからかける電話」について書きました。

今回は逆に「フロントにかかってくる電話(ホテル外の人とのやり取り中心)」に関して、書いていきます。

 

外線電話にフロントが出るケース

1.デリバリーヘルスからの電話

2.お客さんからの問い合わせ・予約申込

3.業者さんからの連絡

4.営業電話

(5.いたずら電話)

大雑把に言うと、上記の5点です。

 

デリバリーヘルスからの電話

 

これまでの記事でもしつこいほど書いていた通り、私が働いていたホテルは立地の土地柄的にお年寄りが多かった所為もあってか、

かかってくる外線電話の7割は、デリバリーヘルス(以下デリヘル)のお店からの電話でした。

 

デリヘル嬢さんが来る前

まず、デリヘルのお店は、お客さんから申し込みがあると、

デリヘル嬢の方の安心と安全のため(?)に、

お部屋に入ったお客さんが1人かどうか、チェックインから何分くらい経っているかなど、

利用客の詳細について電話番の方が外線電話で聞いてきます。

 

おひとり入られました~、とお答えして、

該当のお部屋にお電話をお繋ぎすると、その数分後くらいにデリヘル嬢の方がホテルへやってきて、

「○○号室に失礼します」とフロントに伝えてから、該当のお部屋に入っていく訳です。

 

ここで注意すべきところは、電話番の人が言う部屋番号が間違っていないかどうか。

あっちこっちのホテルに派遣指示を出しているからなのか、デリヘル店のスタッフさんも、

部屋番号がごっちゃになってしまうことが多いのかもしれません。

電話確認の時点で、ホテル内に存在しない部屋番号を言われたり、

既に女性が入室している部屋番号に「お1人ご利用ですか」と聞いてこられることが、結構あります。

 

このケース、デリヘル店の電話番の方が勘違いや聞き違いをしていた場合と、

実際に入室してデリヘルを頼んだお客さんが、部屋番号を間違って伝えていた場合とがあったりして、どちらにしても慎重な対応が求められます。

 

細かく部屋番号を確認もせず、流れ作業のように「はいはい、お1人様ご入室でっせ」なんてやっていると、
まったく無関係なカップル入室のお部屋に、デリヘル嬢さんが突撃して、ドアホンを連打しちゃったりしかねません。

 

せっかく2人っきりの愛の巣にしゃれ込んだというのに、

知らない女がいきなり部屋に訪ねてきて、執拗にドアホンなんか押しまくろうものなら、カップルにとっては恐怖体験でしかないでしょう。

 

当たり前ですが「ちゃんと仕事やれよ!」とデリヘル店の電話番さんに怒られますし、間違って訪ねられたお客さん側からもクレームの元になります。

知るか! ラブホに来るカップルなんて地獄に堕ちろ、だははは! とかいう私怨か何かがない限り、きちんと部屋番号と人数を確認の上で、デリヘル店への電話対応を行ないましょう。

(私怨があったとしても、公私混同はやめましょう)

 

デリへル嬢さんが来た後

デリヘルは時間分のサービスを行なうお仕事のはずなので、

恐らく、お客さんが事前指定したサービスの終了時間5分前か、10分前くらいに、

お店からお部屋へと、電話連絡を入れるシステムになっているんだと思います。

 

(たまに「女の子ひとり、もう帰った?」と聞かれます。

サービス終了時間ギリギリとか、時間が過ぎているのに、女性からお店へと連絡がなかったりすると電話番の方が確認をするんでしょうか?)

 

女性が入室されてから数十分ほどで電話がかかってきて、

「〇〇号室繋いでください」と言われたら、該当のお部屋に取り次ぎます。

デリヘル嬢さんか、お客さんが出たら「外線からお電話入っておりますので、お願いしま~す」と切るだけ。

デリヘル側の清算は、ラブホテルとは無関係なので、基本的にはお電話の橋渡しをするだけでOKです。

 

チェンジ

たまに、デリヘル嬢さんが入室したと思ったら、

すぐさま退室されて、再びデリヘルのお店から「〇〇号室にお願い」とかかってくる場合があります。

 

俗にいう『チェンジ』ですね。

「これから別の女性を派遣するので、もう1度同じお客さんに繋いでください」というような事情説明はいちいちされません。

頼まれたら、指示通りにお部屋へ電話を取り次ぎましょう。

 

お客さんからのお問い合わせ・予約申込

基本的にホテルにかかってきた電話は全てフロントが受けるので、色んなことを聞かれる訳なんですが。

そんな中でも、数の多かったお問い合わせ内容を挙げます。

 

サービス内容について教えて!

宿泊プランはありますか? ショートタイムは何時間ですか? 延長料金は? 空き部屋は? 駐車場はありますか? などなど。

サービス内容に関してのお問い合わせは、やはり鉄板です。

 

慣れない内はご説明に手間取ることもあるかもしれませんし、ときどきイレギュラーなお問い合わせをくださるお客さんもいます。

回答に困るような質問をいただいた場合は、適当に濁したり「わかりません」で済ませたりせずに、

・一旦お電話を保留にして、支配人や責任者に確認を取る
・責任者が不在であれば、委細確認の上で、後ほど折り返しお電話する旨を伝える(お客さんのお電話番号を伺っておく)

など、基本的な電話対応ができればOK!

 

ラブホフロントは「1人体制の仕事」といっても、それはあくまでフロントルームの室内の話です。

さすがに上司が誰もいない訳じゃないですし、同じ職場内で働くスタッフの人達だっています。

よほど体制の整っていない職場でもない限りは、わからないこと、不安なことがあれば誰かしらに確認を取れるので、その辺りは安心して大丈夫です

(回答に困るイレギュラーなご質問詳細については、そのうち別の記事にでも、ざっと書こうと思います)

 

ただし、夜勤シフトは例外になりがち。

深夜ともなれば、さすがに責任者も家に帰る場合があります。

 

まあ、夜中に電話をかけてくるお客さん自体、日中に比べるとだいぶ少ないんですけど。

わかる人が誰もいない、ぼっちつらい……という状況になってしまったら、

やっぱり「責任者に確認が取れ次第、折り返しご説明します」で逃げる対応するのが無難ですね。

通常、責任者が出勤してから折り返しの連絡をする形になるので、お客さんにはだいぶお待ちいただくことにはなります。

 

だが、しかしです。

実は私が働いていたホテルの場合、責任者各位にとってかなりのブラック企業だったので
「わからないこと、緊急の事態が生じたら、何時でもすぐ責任者に連絡すること」とされていました。

そのため、他店でフロントとして働いていた勤務の長いお局様や、支配人、マネージャーさんなんかの上層部の方々は、

夜中だろうと早朝だろうと、24時間365日、電話で叩き起こして指示を仰いでいいことになっていたんですね。

優しくて涙が出ちゃいますね。下々のアルバイトにとって、これほど安心できるブラック企業があるでしょうか。

 

ホテルの職務体制によると思いますが、そういうシステムの職場なら、じゃんじゃん電話をかけましょう。

下手に遠慮してわからないことをわからないまま、うやむやに処理なんてしてしまうと、後で必ずトラブルに繋がるものです。

「見ざる聞かざる言わざる」よりも「退かぬ媚びぬ省みぬ」の精神

これはお給料の次くらいに大事なことです。

 

ホテルの行き方を教えて!

 

私が働いていたラブホは、高齢者のお客さんが多かった所為もあると思うんですが、

最寄り駅からホテルまでの道がわからない、と連絡してくる人が結構いました。

ときどき、デリヘル嬢の方からも「初めて行くので道がちょっと……」なんて聞かれるケースもあったり。

 

相手が若い方だったら、自分で勝手にググったりしますし、

口頭で説明するにしても住所さえお伝えすれば、地図アプリを使って来店されるんですけど。

年配者の方相手だと、そうはいきません。

事前に、最寄り駅からホテルの道順をどう説明するか、目印になる近隣のお店なんかを決めておくと対応が楽だと思います。

 

部屋に忘れ物をしました!

外線で入ってくる電話は、これが結構多いんです。

サービス内容の問い合わせ並みに多い。

 

(たまにフロントやエントランスにお財布・手荷物を忘れて、

そのまま部屋へ上がって行ってしまったお客さんがいた場合などは、内線で直接お部屋にお電話しますが)

 

まず、電話での問い合わせがあった時点で、必ずやることは、
・見た目や形など、物品の簡単な特徴をお聞きする
・フロントに届いていない場合、見つかり次第、ご連絡する旨をお伝えする(お客さんの連絡先を聞く)

上記の2つくらいですかね。

 

ラブホテルは一般のホテルとは違い、短時間休憩で入られるお客さんが多いです。

様々な方があちこちから来店されて、1日に同じ部屋を何度もシェアして使っているようなものなので、
同じ部屋番号から見つかった似たような物品でも、別の方の忘れ物である可能性もあります。

 

それっぽいの届いてますよ~! なんてお答えして、いざ引き取りにいらっしゃったら、お客さんの物じゃなかった、となるとまずい訳です。

持ち主がデリヘル嬢の方なら、お仕事で何度も同じホテルにいらっしゃることも珍しくないので、

「次に行く機会があったら、ついでに取りに行きます」という感じの方も多いのですが。

 

よほどの常連さんでもない限り、一般のお客さんの場合は、

わざわざ忘れ物を取りにホテルへお越しいただく訳ですから、まるで関係ない他の人の忘れ物だった!というのは、クレームにもなりやすい。

 

そんな訳で、いくら特徴が合致していても、あまり自信満々に「お客様の物が届いてますよ」とは言わない方がいいです。

「別の方のお忘れ物という可能性もありますので、お時間があればご確認を~」とか前置きした上で、引き取りにいらっしゃる日時をお聞きした方が無難ですね。

 

まあ、どんなに予防線を張ってもクレームになっちゃうものはなっちゃいます。

その辺は適度に諦めて、

無くしたら困るような大事な物をラブホに持ってくる方が悪いんですよ。お客様は、お母様のお腹に知能を忘れ物なさったんでしょうか、という気持ちを胸に秘め、丁寧にお詫び申し上げましょう。

連絡先を言いたがらないお客さん

忘れ物をしたのに「見つかり次第、ご連絡差し上げますので、お電話番号をお聞きしてもよろしいですか」と切り出すと、明らかに嫌がられるときがあります。

闇の組織にでも追われている身なのか、連絡先に関しては、是が非でも口を割らないお客さん。

 

……まあ、事情は深くお聞きしませんけど、ラブホテルに電話番号を教えること自体が、不都合な人達も珍しくないんですよね。

 

例えば、デリヘル利用をなさったお年寄りの男性客の場合、携帯電話を持っていなかったりして、固定電話しか連絡先がないと大変です。

万が一、奥さんがラブホからの電話を取っちゃったりしたら、大事件に発展するかもしれません。

 

はっきり言って、お客さんの人生が破滅しようが、打ち上げ花火になろうが、フロントの時給が下がったりはしないので一向に構わないんですけど、

ご連絡先を言ってくださらないことには、忘れ物が見つかっても、対応のしようがないです。

そういう方には、忘れ物の保管期間をお伝えして、引き取りにいらっしゃるかどうかご検討いただく流れに持っていきましょう。

言いたがらないことは、無理に聞き出しちゃいけません。

愛あるホテルとして対応しましょう。ラブホテルですから。

 

お部屋の予約申込

これはホテルによりけりだと思いますが、

私が働いていたラブホは、宿泊プランのみ、お電話での予約を受け付け可能、ということになっていました。

(恐らく、休憩やショートタイムの場合は、いちいち予約を受けて部屋のお取り置きなんてしてしまうと、

予約者の来店待ちで全室が埋まってしまいかねないからでしょう。

ラブホは、部屋の回転率が売り上げを左右するお仕事なので。回転ベッドの話じゃないですよ)

 

電話予約を受ける際は、来店される日時、人数、お名前、ご連絡先などを伺って、次のシフトを担当するフロントさんにもわかるように、ノートに記録していました。

予約時にお聞きする内容は、基本的な事項ですね。

 

 

業者さんからの連絡

 

ラブホに連絡してくるのは、利用客の方だけではありません。

リネン(シーツ・タオル類)を回収・洗濯してくださるリネン屋さんや、

お部屋のアメニティーグッズを取り揃えてくださる、アメニティ屋さん、

旅館業(正規のラブホであれば風営法も関連)の運営にあたって、検査にいらっしゃる保健所の方、

ホテルがスタッフ募集の求人広告を出していれば、広告会社さんからご連絡があることも。

 

多岐に渡るので省略しますが、色々な業者さんからもお電話をいただきます。

 

これもホテルの職務体制によりますが、

さすがに、フロントスタッフがサービスとして把握していないようなことは、がんばって対応しなくて大丈夫です。

大抵の場合、業者さん側の営業時間内にお電話をくださる訳ですから、ホテル側も支配人や責任者が出勤している時間帯です。

責任者に電話を取り次いで、後のことはお任せしておけばOKです。

 

営業電話

 

ラブホに限った話じゃないような気がしますが、営業電話がとにかく多かった……。

契約していない広告会社、ネット会社、電話会社、コピー複合機の会社etc……

今思い出せるだけでも、大漁でしたね。

 

慣れてくると、徐々に電話をかけてくる企業名を覚えられるようになってきます。しつこい会社は嫌でも覚えます

 

知らない企業名のときは、営業ではないかもしれないので、電話を取り次ぐべきか責任者に確認をしますが、

「いない、って言っといて~」とか「お断りしといて~」などと責任者が言った企業名は、メモっておくといいですね。

次回からも責任者に取り次ぐ必要のない企業であれば、かかってくる度に「不在」とお答えするか、きっぱりお断りするかしてしまいましょう。

 

いたずら電話

 

業種柄の宿命なのか、やっぱりかかってきます、いたずら電話!

明らかに営業電話と似たようなイメージ画像使ってますが、別に営業電話とイタ電を同列扱いしてた訳ではありません。墓穴掘ってしまったな、だはは。

そこまで頻繁でもなかったですが「そんな電話、めったにかかってきませんでした」と言い切れるほどのレアケースでもなかった感じです。

 

大体、2、3ヶ月に1本くらいの確率で、
セクハラ染みたイタズラ電話や、訳の分からない粘着電話をかけてくる輩がいました。

(具体的にどんな電話がかかってきたかは、別の記事で書いていきます)

 

本当にこれ、忙しいときにかかってくると邪魔です。
邪魔過ぎて「オレ、オマエ許サナイ……オマエノ家、逆探知シテ燃ヤス……」みたいな気分になるんですけど、

今の時代、何がどこで取り沙汰されてしまうかわからない世の中ですから。

 

「かけてこないでって言ってるじゃない!(元カノ風)」なんて切り方をして、

相手がyoutuberだったりしたら、どういう騒がれ方をされるかわかったもんじゃありませんよね。

 

特別なことを言う必要はないんです。

「勤務中ですので、失礼いたします」とか、

「立て込んでおりますので、失礼します」の一言で、一方的に通話を切ってOK。

 

何度かけてこられようと、何を喋られようと、それさえ言っておけば大丈夫です。

話を切れずに躊躇したり、フロントひとりで抱え込んだりしてしまうと、ぐいぐい付け込んでくるような図々しいイタ電マンもいます。

あまりにもしつこいようであれば、支配人に報告の上、警察に相談しましょう。

 

まあ、いたずら電話をかけるだけかけてきて、ホテルにお金を落とさない人なんて、お客ですらありませんけど、

ラブホといえど、曲がりなりにも接客業。

言葉の通じない生き物がたまに出没する程度のイベントは、仕方がありません。
突然のサファリパークは、接客業における風物詩です。

 

おしまい

 

以上。ちょっと長くなってしまいましたが、

フロントにかかってくる外線電話は、大体こんな感じでしたね。

内線電話とは違って、似たような内容になるかもしれませんが、

次回は、フロントから外線電話をかける場合について、取り上げる予定です。

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