今回もラブホテルのお仕事について。業務内容の説明とは、少し逸れた内容です。
私が実際に働いた中で感じた、カウンターでの接客と料金精算における感想を書いていきます。
もしも、働いてみたい……という方がいらっしゃれば、応募先のホテルを選ぶ上でちょっとした参考になれば幸いです。
フロントのタイプについて
フロントに遮蔽物があるメリット
前回の記事で書いた通り、ラブホテルやレジャーホテルには、フロントスタッフとお客さんの間に、お互いが顔を合わせないように仕切りがある場合と、仕切りのない場合があります。
はたしてデザイン性を重視しているのか、ラブホのスタッフなんかを好き好んで選ぶ人間を晒しの刑にする意図があるのか。
通常のビジネスホテルや、カラオケのカウンターのように、開放的なフロントを設けたオープンフロントのホテルもあるようですね。
私が勤務していたホテルのカウンターは、ほぼ全面曇りガラスに覆われており、料金のやり取りをする穴がちょこんと開いているだけのタイプでしたが。
その点、遮蔽物があると仮に変わったお客さんが来店されても「てめえのおつむに、風穴をこさえてやるぜHAHAHA」といきなり鉛玉でも食らわされない限りは、多少の身の安全が確保できます(?)
粘着質なクレームや酔っ払ったお客さんが来ても、直接に目と目を合わせて対応しなくて済むのは、楽と言えば楽でした。
また「申し訳ありません」も「ありがとうございます」も、声色だけできちんと表現できれば、表情や仕草、お辞儀等で精一杯お伝えせずに済みます。
ここが、他の接客業にはない魅力のひとつとも言えるでしょうか。
お客さんも、ガラス越しのラブホテルでの接客に飲食店のような意気揚々としたフレンドシップは求めていない方が多い印象です。
ホテルの立地や客層の年代にも寄るかもしれませんが、ラブホのご利用をちょっぴり恥ずかしく感じるお客さんもいらっしゃるので。
雑談を振ってくるような方も、他の接客業よりは少ないように感じました。
丁寧に穏やかに、必要なことがご説明できていれば問題ありません。
案外、奥手で接客業に不安のある方でも、働き易い環境かもしれませんね。オススメです。
(かくいう私も、和気藹々、元気一番、お客様は神様だ! というのを避けて、ラブホテルのフロントをやってみることにした節があります)
そして、女性の方には朗報(?)です。
ちょっとくらいお化粧をサボったり、セットが乱れていても大丈夫。
お客さんは遮蔽物の下から覗き込まないと、フロントスタッフの顔が見えません。
毎日バッチリメイクなんてめんどくさい! というずぼら系女子には、ちょっと嬉しい環境かも……?
フロントに遮蔽物があるデメリット
取り立てて言うほどでもないですが。
耳の遠いお客さん相手だと、カウンターが遮蔽物で覆われている分だけ、声を張らないとトラブルになりやすいです。
こちらが利用プランの内容をきちんとお伝えしたつもりでも、わかったわかった、と適当なあいづちをうってチェックインした後に「そんな説明は聞いてない、聞こえなかった」と訴えてくる方もままいます。
聞こえてないのに、何をどうやってわかった?
メンタリスト○aigoか?
お客さん相手にそんな横柄な態度は許されないので、お年寄りの方、いちゃいちゃ会話しながら説明を聞き流しているカップル等には、要注意です。
また、店員の顔が見えないという所為なのでしょうか。
お客さんから、同じ霊長類として接される頻度も若干下がります。
私が学生時代に働いていたパン屋や、その他の接客業経験を思い起こすと、明らかにお客さんの態度の温度差、空気感の違いはひしひし覚えました。
もちろん、一般の接客業においてもスタッフを自販機か何かと勘違いしていそうなお客さんというのは、どこでもいらっしゃるものですが。
いかがわしいホテルを利用する、という後ろめたさに十字架を背負っているのか。
めくるめくセックスのことで、頭がいっぱいなのか。
フロントスタッフの説明を聞こうともしないお客さんは、珍しくありません。
注文やクレームも強気な命令口調は当たり前。顔が見えないからと上手に出て、恫喝してくるようなお客さんもまれにいます。
そこから出て来て、顔を見せて謝れ。
よくこんな所で働くね、恥ずかしくないの?
なんて、クレームついでにケチを付けてくる方も。ラブホテルなんかで働いているような人間は、社会の最底辺とでも思われているのかもしれませんね。
人が愛を育む場を提供する仕事だぞ。崇め讃えよ。
冷たくあしらわれても、根気強く、声だけは柔らかく。
説明途中で立ち去られようものなら、呼び止めてでもご説明した方が無難です。
利用料金を踏み倒すような態度や、過度な恐喝に出られたら、迷わず支配人に報告の上、警察を呼びましょう。
そもそも、ラブホテルに来るようなお客さんは客層がちょっと……と言ってしまえば、それまでではありますね。 確かに不思議なお客さんは多いです。
霊長類同士、ラブ&ピースでいきましょうよ。メイクラブするホテルですよ。
おわりに
私個人の感想としては、フロントに遮蔽物がある方が安心して働ける環境でしたが。
実際にラブホテルのフロントで働いてみたい! という方は、そのホテルごとの設備や特性を、ご自分の希望に合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか?
おもしろ書籍
表立った広告を風営法で禁じられているからこそ、装飾や毒々しいネオンを駆使し、ここはメイクラブなホテルである! という激しい主張をかますラブホテル。
独創的なデザイン、無駄に凝ったくだらない設備の数々は、もはや重要文化財です。
古き良き(?)うさんくさいラブホテルの写真がたくさん載ってます。目が眩む。
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